FOMA F900iTで絵を描く
(若王子神社の蛍,FOMA F900iT + 手書きメモ(内臓アプリ))
哲学の道は京都東山を南北に流れる琵琶湖疎水沿いの散策路であり,
春は桜,秋は紅葉の名所であるが,地元では初夏の蛍も有名である.
先日,友人と二人で散歩がてら歩いたとき,哲学の道の南端である若王子神社で足の向くままにその奥にある滝を訪れた.真っ暗なので携帯で足元を照らしながら歩いてゆくと,よくは見えないが音だけは確かな滝壺まで辿り着いた.
見上げれば山の木の枝や葉が天井を為して,その繁りのなかに時々,夜空の星が透かして見えた.
高い木々の枝の間を蛍が二三匹,星に紛れて舞っていたのを,二人ぽかんと口を開けて眺めていた.
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FOMA F900iTに標準搭載されている手書きメモは,デジカメ写真のレタッチ用途を超えてイラストを描く分にも十分な出来であると思います.正直,腰が抜けるほど驚きました.
そのうち写真付きで説明しますが,機能一覧は次の通りです.
(カッコ内)は私が勝手につけた説明です.
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▼液晶サイズ
2.4インチ,240x320ピクセル
▼画像サイズ
320x320ピクセルまで
(▼レイヤ
背景と前景の2枚.
マニュアルのどこにもレイヤとは書いてませんが,背景読み込み機能はレイヤとして使えます.)
▼モード
・矩形選択
・自由選択(いわゆる投げ縄ツールです)
・ペン&ブラシ
・透明ペン(背景と前景の両方を消す消しゴム)
・エアーブラシ(ランダムに拡散するペン)
・直線
・四角形
・楕円
・消しゴム(前景上の線を消します.白色ペンと同じ.)
▼ブラシスタイル
・●(丸いペン)
・■(四角いペン)
・/(平筆その1)
・\(平筆その2)
▼塗り潰し
・□(四角形や楕円を塗り潰さない)
・■(四角形や楕円を塗り潰す)
▼太さ/拡散範囲(三段階)
▼カラー (222色のパレットから選択)
▼元に戻す(Undo.ただし,Redoは出来ません.)
▼切り取る
▼コピー
▼貼り付け
▼拡大表示
x1, x2, x4, x6, x8
▼スクロールモード切替(画面サイズより大きな画像はスクロールバーで移動.あるいは,いわゆる手のひらツールによる移動も可能.)
▼そのほか機能に関するコメント
・以上の機能は画面のタップでも選択できますし,携帯本体のボタンからも選択できます.
・スタイラスは本体内臓不可能,ストラップとして付属します.
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絵を描くにあたっての所感,TIPSなど.
・スタイラスの長さは6センチで絵を描くには向きません.他のものを使ったほうがいいでしょう.ちなみに上の絵はザウルス用のスタイラスで描きました.
・画像読み込み機能によって背景に画像を読み込むことが出来ます.前景で線を描いたり消したりしても背景の絵は影響を受けません(透明ペンを除く).上の絵は輪郭線まで描いたところで一度保存し,背景画像として新たに読み込んでから色を塗りました.蛍や星も同様の方法でレイヤを分けて描きました.(参考:下書き,塗り途中)
・ただし画像はJPEGで保存されるため,保存のたびに劣化します.
・上の絵ではPhotoshopのトーンカーブを使って明暗のバランスのみ修正しましたが,慣れたら修正はいらないと思います.
・十字の星はこれまたF900iTに搭載された静止画編集機能の「きらきら」で描きました.
・ペンやレイヤに不透明度設定がないため,カラー絵を描くには慣れが必要だと思います.白黒絵を描くならば何の問題も感じません.
・網掛けあるいはタイルパターンはありませんが,エアーブラシである程度近似できます.上の絵の場合,水際,空との境目,葉っぱはエアーブラシです.
・上の絵の所要時間は1時間半程度.いつもPDAで描く絵は5時間程度かかっています.
・液晶画面は4センチ×5センチなのでPDAよりはるかに小さいです.
・しかし,拡大表示機能があるので大丈夫です.拡大表示は小さなデバイスで絵を描く上でのキモなので搭載されていてとても嬉しいです.
まさか携帯電話にPDAの標準搭載ペイントソフトを超えるものが載せられようとは思いもしませんでした.
開発担当者様,本当に素敵なソフトを有難うございました.
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Comments
すばらしい絵ですね。
Posted by: itokoichi | 2004.06.23 17:48